AIニュース
研究 PR TIMES · 2026/10/29

九工大とJAXA、衛星が帯電する宇宙の条件を19年分のデータからAIで特定

要点 3行

九州工業大学大学院工学研究院の寺本万里子准教授と、宇宙航空研究開発機構(JAXA)研究開発部門の奥村哲平主任研究開発員らの共同研究チームは、人工知能(AI)を用いて約19年分の人工衛星観測データを解析し、衛星表面の帯電現象を自動検出する手法を開発した。この解析を通じて、人工衛星が帯電しやすい宇宙環境の特徴も明らかにした。成果は米国地球物理学連合(AGU)が発行する学術誌「Space Weather」に2026年10月27日付で掲載された。

宇宙空間を飛行する人工衛星は、地上の電気機器のように大地へ接地(アース)できないため、飛来する電子が表面に蓄積して電気を帯びる「表面帯電」が発生する。衛星表面の部位によって帯電の度合いが異なると大きな電位差が生じ、火花のような放電が起きることがある。この放電は太陽電池や表面材料を損傷させ、衛星の正常な運用を妨げるリスクとなる。しかし、長期間にわたる膨大な観測データから帯電現象を目視で確認することは難しく、網羅的な統計解析には多大な作業負荷がかかっていた。

研究チームは画像認識などに用いられる畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を活用し、衛星の観測データから表面帯電を自動的に検出する仕組みを構築した。解析の実施にあたっては、九州工業大学の花沢明俊准教授、同大学院を修了した升野颯人氏や荒木大地氏が中心となり、新潟大学大学院の飯田佑輔准教授からAI検証方法の専門的な助言を受けた。本手法によって約19年分の観測データから約3,000件の帯電イベントを効率的に抽出することに成功した。

抽出したデータの分析により、高度100キロから300キロメートル付近で発生するオーロラの原因となる高エネルギー電子が衛星の帯電を強める一方、地球上空約60から1,000キロメートルの電離圏に存在するプラズマが帯電を抑制する働きを持つことが判明した。衛星の帯電が、オーロラ電子と電離圏プラズマのバランスによって定まる現象であることが定量的に示された。

本研究は、2023年度に開始された日本学術振興会科学研究費助成事業(基盤研究S)「惑星放射線帯消失モデルの実証と能動的制御方法の開拓」の支援を受けて実施された。今後は解析対象をさらに過去のオーロラ活動が活発だった時期まで拡大し、衛星が帯電しやすい時期や場所の予測精度を高めることで、宇宙環境による障害を回避し安全に運用するための技術確立を目指す。

この記事は PR TIMESの発表を AI が日本語に要約したものです。正確な内容は原文をご確認ください。

アプリで開く
アプリなら毎朝1件、注目のAIニュースが届きます 記事中の専門用語をタップすると、その場で辞典の解説が開きます。無料・広告のみ。
Google Play で手に入れよう App Store からダウンロード

関連記事