STマイクロ、AI計算施設や人型ロボットを省エネ制御する新型半導体を発売
- STマイクロエレクトロニクスが、AIデータセンターやロボット向けマイコン「STM32G5」シリーズを発表した。
- 前世代比で2倍の計算性能を備え、AIサーバー電源の精密な制御や人型ロボットの多軸モーター制御に対応する。
- 1万個購入時の単価は1.0340ドルからで既に量産中。2027年にはデュアルコア製品の追加も予定している。
半導体大手のSTマイクロエレクトロニクスは2026年11月4日、AIデータセンターの電源制御やロボティクス向けに設計した新型マイクロコントローラー「STM32G5」シリーズを発表した。AIデータセンターや人型ロボットのほか、太陽光発電、風力タービン、産業用ドライブ、商用ドローンなどにおける電力制御やモーター駆動の効率化と高度化を支援する。
同シリーズが投入された背景には、AI処理に伴う電力需要の急増がある。最新のGPUクラスターの進化によってサーバーラックあたりの消費電力が1メガワットに迫る中、最大規模のデータセンターでは2030年までにピーク電力が2ギガワットを超える可能性があるとされる。こうした規模では、わずかな電力効率の改善でも損失や冷却負荷を大幅に削減できる。また、片手だけで最大20個のモーターを搭載することもある人型ロボット分野でも、狭いスペースで多数のモーターを瞬時かつ高精度に制御する能力が強く求められていた。
STM32G5は「Arm Cortex-M33」コアを280メガヘルツで駆動させ、前世代の「STM32G4」シリーズと比較して2倍の計算性能(420 DMIPS、CoreMarkスコア1136)を実現した。電源制御向けには、炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)を用いた電源の高周波スイッチングに対応する12チャネルの高分解能タイマーを初搭載した。サーバー負荷の変動に応じて電源ユニットを動的かつ最適に制御できるほか、ロボット向けの位置エンコーダや、外付け回路を削減できるプログラマブル・ロジック・アレイ(PLAy)も内蔵する。
セキュリティ面では、耐量子計算機暗号(PQC)ライブラリに対応する暗号エンジンや、安全な起動と更新を保証する不変のRoot of Trust(STiRoT)、サイドチャネル攻撃への耐性などを備えた。顧客企業である電源大手のデルタ・エレクトロニクスは、次世代デジタル電源に必要な処理性能と柔軟性を評価し、電力損失削減につながるとコメントした。また、ロボット開発を手がけるRuiyan Intelligentも、より多くのモーター制御とセンサー統合が可能になり、人型ロボットハンドの実用化に近づくと述べている。
STM32G5シリーズは内蔵フラッシュメモリ容量64キロバイトから512キロバイト、パッケージはQFN32からLQFP128までの構成で現在量産に入っている。1万個発注時の単価は1.0340ドルから。さらに同社は、2027年に性能と周辺機能を強化したデュアルコア製品をラインアップに追加する計画を明らかにしている。
この記事は GlobeNewswire (Technology)の発表を AI が日本語に要約したものです。正確な内容は原文をご確認ください。
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