科学研究の全記録をそのまま共有できる無料AIツール、76機関が検証へ
- AIPOCHが研究向けオープンソース環境「AIPOCH Open-Science」を一般公開した。
- 対話履歴やコード、実行結果をひとまとめにして複製・共有できる新形式「.science」に対応する。
- 世界76機関の研究者が論文に関与しており、データは標準で利用者の手元に安全に保存される。
シンガポールのAIPOCHは2026年10月14日、AIを活用した研究作業を一元管理できるオープンソースの統合環境「AIPOCH Open-Science」を一般公開した。ライセンスはApache License 2.0を採用している。あわせて公開されたプレプリント論文には、同社のほか世界76の機関に所属する研究者が名を連ねており、北京大学や上海交通大学、ハーバード大学医学大学院の教育病院であるベス・イスラエル・ディーコネス医療センター、商湯科技(SenseTime)などが含まれる。
近年、学術や技術分野でAIツールの利用が急速に進む一方で、研究現場では様々な課題が指摘されている。従来の環境では、対話履歴のコピーやファイル転送が個別に必要となり文脈が散逸しやすいほか、文献管理やデータ分析、計算基盤が別々のツールに分断されていた。さらに、外部サービスへの依存や、AIが生成した図表の根拠となるコードや中間データが見えにくく、共同研究者への引き継ぎが難しい点も普及の障壁となっていた。
分析コードから文献までを1つの記録に統合
こうした課題に対し、AIPOCH Open-Scienceは「.science」と呼ばれる独自パッケージ形式を導入した。この形式は、選定した対話の分岐やファイルの版管理履歴、ノートブックの記録、検証結果の根拠データを1つに集約する。オープン規格「RO-Crate」の考え方を取り入れており、作成した記録は別の端末へ安全に転送できる。インポート時は閲覧専用モードで開かれ、元の認証情報やコードが勝手に実行されることはない。研究者はこの記録を複製することで、他者が行った作業の文脈を引き継ぎ、追加の研究を進められる。
作業環境としての機能も充実している。利用者が自然言語で指示を出すと、自律型プログラムが文献の調査やデータ分析、可視化、レポート作成を支援する。PythonやR、シェルスクリプトの直接実行に対応するほか、文献管理ライブラリ機能や、条件に応じた文献の自動選別機能も備える。プロジェクトデータは初期設定で利用者の手元(ローカル環境)に保存され、ローカルに配備した独自のAIモデルや外部の各種サービスを用途に合わせて柔軟に接続できる。
外部機能の追加と共有を支える仕組み
システムには23種類の標準機能に加え、525種類の機能を提供する「スキルマーケットプレイス」、特定の研究分野向けに調整された10種類のアシスタントを含む「スペシャリストマーケットプレイス」が用意されている。研究者や開発者は自身の手法やツールをプラグインとして登録・共有することが可能で、生命科学や化学、物理学、材料科学など幅広い分野での利用を想定している。
AIPOCHの最高経営責任者(CEO)を務めるHuimei Wang氏は、「オープンな研究ツール、再利用可能な科学的手法、そしてAIの能力を単一の作業環境に統合した。科学的な探究をより身近にし、世界中の研究者や開発者が互いの成果を共有し発展させられるオープンな生態系を築きたい」とコメントしている。
この記事は PR Newswire (AI)の発表を AI が日本語に要約したものです。正確な内容は原文をご確認ください。
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