材料開発から工場の量産まで自動連携 Fabartaが新AI基盤を提供開始
- Fabartaが材料開発から工場での量産までをつなぐ科学向けAI基盤の大規模刷新を発表した。
- 自己改善型エンジンを搭載し、文献調査から実験検証、デジタルツインによる製造補正を統合する。
- 物理法則とナレッジグラフを組み合わせ、AIの誤出力抑制と研究データの分断解消を目指す。
企業向けAIエージェントを手がけるFabartaは2026年10月19日、科学研究向けプラットフォームの大規模刷新を発表した。再帰的自己改善(RSI)エンジンを中核に据えた「Fabarta Science Intelligent」の提供を開始し、従来の「AI for Science(AI4S)」を研究開発から生産現場まで網羅する「AI for Science & Engineering(AI4S&E)」へと拡張した。文献調査や配合設計、実験室での検証にとどまらず、デジタル試作や工場での量産ラインまでを一気通貫で接続する。
新材料の開発現場では長年、耐熱性と耐衝撃性、加工性、コストといった相反する要件の両立や、研究部門と製造現場の間でデータが分断される問題が課題となっていた。例えば耐熱ABS樹脂の開発では、耐熱モノマーを導入すると衝撃強度が落ち、ゴム成分を増やすと耐熱性が損なわれるといったトレードオフが存在する。また、過去の文献や特許、製造時の異常バッチに関する情報が部門ごとに孤立し、継続的な改善サイクルを回すことが困難だった。従来の科学向けAIツールも、単一の計算予測や論文執筆の補助といった限定的な利用にとどまる傾向があった。
刷新されたプラットフォームは、4つのモジュール(Project、Session、Experiment、Resource Center)と3層の反復ループで構成される。第1層の「P0検証ループ」では、物理制約付きニューラルオペレータを活用したモデル自律進化エンジン「AutoPINO」により、仮説生成から自律実験、データ回収、モデル更新を継続的に回す。第2層の「P1ドメインループ」では、仮想空間上で低コストな推論と枝刈りを行い、微小スケールからマクロ物性までの最適化を支援する。第3層の「P2産業ループ」では、製造現場のDCSやMESから得られる温度、圧力、トルクなどのデータを知識基盤へ還元し、デジタルツインのずれを動的に補正することで、研究室と工場の間にある実用化の障壁を解消する。
生成AIの誤出力(ハルシネーション)を防ぐ仕組みとして、同社独自のエンタープライズ知識グラフ「Context Graph」と物理情報AIモデルを融合させた。状態方程式や反応速度論などの物理法則を制約として組み込むことで、データが乏しい領域でも物理的に整合した予測を可能にしている。導き出された結論は元のデータまで追跡でき、実験で確認された成果は再び知識グラフへ蓄積されてモデルと知識が相互に進化する。
Fabartaの創業者兼最高経営責任者(CEO)を務めるAndy Gao氏は、「産業の高度化にAIを組み込むには、単一の汎用大規模モデルに依存するのではなく、産業の物理メカニズムと知識の連鎖にAIを根付かせる必要がある」とコメントした。同技術はすでに中央国有企業や国家級化学工業団地、上場新材料企業などに導入されており、触媒の最適化やポリマー設計で活用されている。同社は今後もマルチエージェント連携や垂直領域向けモデルの開発を進め、化学や先端製造業への支援を強化する方針である。
この記事は PR Newswire (AI)の発表を AI が日本語に要約したものです。正確な内容は原文をご確認ください。
アプリで開く